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第十七話 たった一言で

4、5年前だろうか。親父が突然朝、起き上がれなくなった。起きようとすると、めまいと吐き気で苦しそうである。すぐ、救急車を呼び病院に行く。メニエールという耳の病気だった。女性に多い病気だが、立つこともできないほどのめまい、そして吐き気が主な症状だ。六十八才になるまで、大きな病気もしたことはなく、現場に出ても若い者に負けないくらい働いていた親父が、と思うと信じられない姿である。二週間入院し、退院した後も歩けばフラフラ、車の運転など到底できない状態であった。私も家族も、これからどうなるのか、と心配していたし、当の本人も一向に治る気配もない。そんな時、病院の先生から「○○さん、男でメニエールになる人は長生きするんよ。」と言われた。親父はまだ苦しそうだが、その言葉を聞いた私たち家族は何か救われたような気持ちになった。「親父は長生きするのか。」と。
今ではそんな親父も元気になり、仕事は引退したが、老人会の世話役、グランドゴルフ、同窓会、旅行などカレンダーはスケジュールでいっぱいである。おそらく長生きするに違いない。皆さんもたった一言で救われた、元気になったという経験はありませんか?


 


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