中学・高校生の諸君へ
MENU »中学・高校生の諸君へ »第二十話 墓参り第二十話 墓参り
私たち建設業は、役所から発注された工事を競争入札という制度で落札する。詳しく説明することは省略するが、あらかじめ決められた金額に一番近い金額を書いた会社が落札するのである。少ない時で十社程度、多い時では八十社近く参加する。その中で落札するのはかなりの低い確率になる。しかし、年間通してみると、何度も落札する会社もあれば、全然落札できない会社もある。そこで、みんな、なぜあの会社だけよく落札できるのかと不思議に思う。そこである人曰く。
「あの会社の社長は、よく墓参りをするのだ」そうだ。それを聞いた社長たちは一斉に墓参りをする。笑い話みたいだが、まんざら間違ってはいないような話である。先祖を大事にすることが大切であるのは百も承知だが、なかなかできないのが現実である。困ったときだけ先祖を大切にするのかと怒られそうだが、頼まれたら断れないのもご先祖様であるのだろう。いまさら、様づけで呼ぶのかと先祖から突っ込まれそうだが、ぜひ一度試して欲しい。テスト前、受験前、試合前、なんでもいい、ここぞという時の前に墓参り。結果はどうあれ、何か感じるはずだ。